熱い思いを込めた文

心の文です。

そのキスでもう全部溶かしてくれ

こんにちは。最善と申します。
普段は、学校に行ったりしています。
好きなものは、演劇とゲーセンの音ゲーです。(金がかかる)



なぜ急にブログを始めたのか。それにはいくつか理由があります。






まず一つ。

やってみたかったから。


ブログは別に初めてじゃないし、ツイッターも毎日せっせと更新していますが、
ブログっていう媒体に興味があったので

なんで興味があったのかってのが


2つ目の理由で、

僕の文を見てほしかったから。


自分も演劇好きの端くれ。脚本を今書いています。
ただ、自分の文(自信作で、長い)を不特定多数に見られるって体験をしたことがないんですね。

そういうわけで、おもしろいと思う文を書いて、それでおもしろいとかつまらないって言われることで、こう、慣れるというか。

その手段にブログを選ぶなよ。







まあ、そんなことはどうでもいいので、今日は一つ話をしたいと思います。





みなさん、キス したことありますか?




僕はありません。童貞なので。
このブログを読んでいる人の中でも、もしかしたらいるかもしれませんね。

童貞で、顔がもさくて、コミュ障で、臭くて、チビで、包茎。そして、


キスをしたことがない人。



キスとは?

「接吻(せっぷん)あるいは口づけ(英語: kiss キス / キッス)とは、唇を相手の頬・唇などに接触させ、親愛・友愛・愛情などを示すこと。チュウとも言う。」wikipediaより引用



だそうです。


一体、キスってどんな感じなんでしょうか?


幸い、僕(我々)はまだ未成年の学生なので、まだなんといいますか、可能性があるのです。





つまり?つまりですよ、その可能性が明日やってくるかもしれないのですよ!明日は、冷凍の炙りとろサーモンを買いに行く予定だったので、結構ありえると思います。

炙りとろサーモンを買った帰り、ひょんなことから女の子とキスすることに!


近づく唇とくちびる…


そんな時!思い出すのです自分が童貞だったことを。

立ちはだかる、女性との触れ合いの少なさ。
最後に女の子に触れたのは、かなり前、友達の妹とハイタッチしたのが最後でした。その子はもういつの間に小学校三年生だそうです。
あと母。



炙りとろサーモンを買いに行く途中、女の子からキスをせがまれてしまったら?


どうすればいいのだろうか。






今日はそれを考える日です。







まず、どんな女の子にキスされたいのか?


これ、大事ですよね。イメトレの一番のポイントは、そのイメージをしっかり具体化させること。ぼんやりとしたものでは、気合も入らないというものです。



……







……まあ、女の子でね。まず、年齢。年齢どうしましょうか!同い年か、うーん、ちょっと下くらい?チョッと下くらいいっちゃいましょうじゃあ決定!年齢、僕よりちょっと下。や〜でも可愛いに越したことはない。無いので…どんな可愛い感じにしますか?僕わりとね、年下だったら、元気系がいい。キュートクールパッションの、パッション。イメージカラー、黄色。まだあどけなさが残る、快活な少女。これでいこう。うん。次ね、えー服装。服装どうしますか?いや〜でもわかんなくないですか?好きな女の子って、結局中学の青いジャージ着てても可愛いじゃないですか。いやまあ、ジャージ単体の実力、も、まあ否めない、、けどこれがね、小豆色だったら……ってコラコラ〜!!!今ジャージの話してないだろ〜〜〜〜!!!!!ジャージの話はよしてくれよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!







……







……





以降は、明日の話です。







僕 (よ〜し帰ったら、朝炊いたご飯温めて炙りとろサーモンチンしてのせちゃうもんね〜ッ!!あれ…?あそこにいるのは…?)

女 ……

僕 (あきこちゃんじゃないか!!中学までたくさん遊んでいたけど、高校が離れ離れになってお互い疎遠になってしまった、家が隣で年齢は一つ下、お互い一人っ子だったので実のきょうだいのように仲良く遊んだ、寂しい僕の心を埋めてくれた、その優しさと純粋な可愛さに僕のハートは撃ち抜かれ、僕が今でも密かに淡い思いを抱く、僕の初恋の相手あきこちゃんじゃないか!!あんなところでどうしたんだろう… )

女 ……

僕 (僕には気づいていないみたいだけど、ここ最近喋ってすらいないからな…なんか、気まずいな…)

女 ……!

僕 (やべ!目合っちゃった…)

女 ……。

僕 ……泣いてる…?

女 ……(ぷいっ)

僕 あ……(…まあそうだよな、最近話してなかったし、あいつも雰囲気変わっちゃったし。すっかり女子高生っていうか…)

女 ……(遠くを見ていた)

僕 (……なんで泣いてんだろうな…)

女 ……(頬がキラリと光る)

僕 (いや、関係ないよ…きっとあいつにも色々あって、きっとぼくとは違う世界の、次元の、悩みなんだ…)思えば僕は、彼女とはおそらく真逆の方向で時を過ごしてきた。

適当に勉強して、適当な高校行って、そこでも適当で。自分に、「なにか」本気になれることを見つけられたことがない。そんなもんだろって思ってた。そのくせ、自分には「可能性」があると信じてた。いつか本気出してやる。本気出して、お前らとは違う道進んで、周りの奴らとは違う、幸せを掴んでやる、
、、

今年から受験生。みんなはとっくに「なにか」を見つけてる。「なにか」は目標であり、夢であり、未来であり、今この瞬間でもある。

自分は?適当にやって、普通でいられることにすらしがみついてる状況だ。

今から「なにか」は見つけられるのかな。

料理も作れないから、冷凍の炙りとろサーモン買って…こんなんでいいわけないだろう。

でもじゃあどうすればよかったんだろう。

手遅れか?僕は。

どうなればよかったんだろう。

一人で?

「なにか」って、なんだよ…



2年前、父を亡くした。
きょうだいはいなくて寂しかったけど、親子3人、仲良く暮らしていた。
生活は明らかに苦しくなった。
お葬式の次の日。中学の友達から明らかに距離を取られているのがわかった。
私…あきこは、もう普通の女の子じゃいられないってその時、思った。
高校でもうまく友達と馴染めなくて、私は親がいないことを隠して、明るく振る舞うことで、なんとか、暮らしていた。

数カ月前、新しい父親…のようなもの(と本人も言っていた)がやってきた。会社の社長で、母親が夜勤で清掃をしてるビルの一番上の階にオフィスがあるらしい。

身なりは整っており、髪はカッチリと固められていた。とても背が高くて、筋肉質で、俳優かスポーツ選手のようだった。

どうやってお母さんと仲良くなったんだろう…と不安な私に対して、お父さんが亡くなってからずっと疲れていたお母さんの顔は、みるみる生気をとりもどしていた。

学校では、友達が話しかけてくれる。

あきこちゃんって、すごい強い子って感じ。いつも元気で、明るくて。

私ってそうなのか。
でも私がかけてほしかった言葉は、そうじゃない。

お父さんが亡くなったあの日、泣いてる私を何も言わずに見つめていたあの人。その時のことを、急に思い出した。




僕は彼女を見ていた。涙を流す彼女の後ろ姿を、道路に突っ立って眺めていた。ぼんやり、ぼんやり…

僕はいつもこうだ。いつも見てるだけ。



あきこちゃんのお父さんの葬式の日だって。

僕はずっとなにもできないままだった。

自分に、自信ってやつがないからだ。

自分になんにもないやつが、誰かの「なにか」になれるわけないんだ。



その男が家に来て、お母さんはまた元気がなくなっていった。見知らぬアザが、鎖骨のあたりに大きくできていた。毎晩聞こえてくる声で、だいたい想像はついた。お父さんが亡くなってすぐ越したアパートは、狭くて壁が薄かった。

そのうち、その男は何かとつけて私に触れてくるようになった。触れ方は親子のそれじゃないと、男性経験がほぼない私でもはっきりわかった。
そしてつい1週間前、私は最悪の初体験を迎えた。
ゴムなんてつけてくれなかった。母親は夜勤でいなかった。怖くて痛くてでも声出なくて、とにかく強い力で、もう私も逆らう力も辛くて出なくなっちゃって、ゴルフかなんかで鍛えたんだろうな、なんて私は天井を向きながら、考えてた、のかもしれない。その男は、ずっと猿みたいに腰動かして、私ともお母さんとも全然違う女の名前を呼んでいた。

学校の友達は、私の様子に気づいたようだ。
あれ以来、男は来なくなったが、夜は眠れていない。

いつもとなんか違わない?
元気出しなよ。ほら昨日のテレビ、見た?

私、ってなんなの?
私の中の私は、いつかのまま止まったままだ。
そしてそこには、

彼がいたのだ。



目があっていることには気づいていた。
泣きはらした目でずっとこっちを見ている。
僕は動けなかった。あの時の同じ目だ。彼女の瞳の奥に、本物の彼女がいるのかな、なんて考え過ぎだったのかな。

けど、彼女の瞳を見つめていて、ぼんやりと浮かんだものがあった。

僕、「なにか」になるとしたら、きっと、…違うか。

あの時、と同じ目だった。
ただ、違うのは…

炙りとろサーモンは、とっくに溶けていただろう。
そんなこと僕はどうでもよくて、僕は必死で思い出していた。目線は彼女に向けたまま、
僕はあの後彼女に、どうしていただろうか。
…喪服の大人が彼女の事を話してる。
かわいそう、なんて目線で彼女を見る。

けど、あなただけは違った。
ずっと私たちは、目を合わせていた。
あの人は、なにか言いたいんだ。
それだけわかって、私ずっと目合わせてた。
そして…

きみは、どこかに行ってしまった。
大人たちに連れて行かれた。
僕は追いかけることもできなくて、ずっと立ってた。

それでも私、ずっと見てた。
あなたのこと。
私の中の私はね、あなたしか見てなかったよ。


きみのなかのきみ。
が、僕、を見てたの?


うん、あなたはきっと、あなたのままだったから。






3月だけど、その日は暑い日だった。
昨日が凍りつくような寒さだったからだろうか、必要以上に暑く感じたのだ。




僕は、「なにか」になるとしたら、彼女の「なにか」になることだ、とその気持ちは確信に変わっていた。


私、一人ぼっちになっちゃった。


僕は、彼女を「普通な子」だって思ってた。でも、


私、「普通」にすらおいてかれちゃった。


かける言葉が見つからないよ。


私、言葉なんていらないよ…?







とても暑い日だった。







だめだ。
僕はだめなやつだ。わからないままだ。
このままきっと何にもなれないままなのかな。


「あきこちゃん…!」

言葉だけ、先に飛び出した。
僕は気がつくと、冷凍炙りとろサーモンの入った袋を放り投げていた。

彼は、私の方へ近づいていた。もはや泣いていた。目は真っ赤だし、なんて情けない顔だろう。
けど春の陽気のように優しくて、暖かい。

歩く足は止まらなかった。きっと言葉はとっくに追い越した。

二人の唇はもう触れ合いそうだった。
「なにか」は、きっと満たされるだろう。
そして…










その日は暑い日だったので、投げられた炙りとろサーモンは溶けて腐っていた。数日後、二人で拾って、捨てた。




















こんな感じです。最善でした。